ジンバブエのクーデターに起因する不安定さは、ビットコインの価格をさらに高騰させています。
高騰するビットコイン
#Bitcoin soars to $13,500 in #Zimbabwe, almost double the international price. BitcoinBro founder Oliver von Landsberg-Sadie offers a view to @BBCWorld‘s Newsroom on how and why this happened.https://t.co/PPgsmhN0IM
— BitcoinBro (@myBitcoinBro) 2017年11月16日
2017年11月15日、ジンバブエ軍は40年近くにわたって国を統治してきた「独裁者」ムガベ大統領に対してクーデターを起こしました。軍部は政権を倒そうとしていることを否定していますが、大統領の拘束が伝えられており、国内の政治は混乱に陥っています。
国が危機に陥ったとき、人々は財産を保護するために金のような堅実な資産に投資します。しかし最近では、ビットコインや他の暗号通貨が金の市場占有率を侵し始めています。そして今回のクーデターがビットコイン市場の拡大を招いても不思議ではありません。
天文学的数字で取引されるビットコイン
ジンバブエ内でビットコインはすでに天文学的価格で取引されています。これは極端な資金不足と国内の法定通貨を維持するための厳格な資本規制のためです。
ジンバブエは公式上米ドルを使用しているにも関わらず、物理的なドル紙幣の不足により、政府は1対1の比率でドルに固定される債権を印刷しています。
しかし、政府がこの正式なドル建て金利の0.38%をはるかに上回るペースで”Zoller”(銀行にあるドルを揶揄した言葉。本物のドルに対して価値が急落していることからこう呼ばれている)の供給を拡大してきたことは公然の秘密になっています。その結果、ロイター通信によると、国民はビットコインのような価値を保管できる資産に預貯金を移しています。以下はロイター通信からの抜粋です。
「ジンバブエにはインフレがあり、ビットコインは価値が興味深い価値の保管の仕組みだ」とジンバブエの仮想通貨専門家のTaurai Chinyamakobvuはコメントしています。
車両や不動産などの資産が信頼できる価値の保管場所である一方で、ビットコインはジンバブエの人々に国境を超えた購入を可能にします。
管理者がいないビットコインの魅力
中央銀行が100兆ドルの紙幣を印刷したために通貨がハイパーインフレに陥ったような国に住んでいたとしたら、ビットコインが中央集権でないことは魅力的に映るでしょう。
「ビットコインは所有者も管理者もいません。オンライン上で行われたすべてのビットコイン取引は全てのトレーダーに見えるようになっています。」
ビットコインの関心の高まりは、Zollarのインフレと共にビットコイン交換所Golixのビットコイン価格を13,900ドルにまで引き上げました。現在、為替相場は13,350ドルで世界平均を6,100ドル上回っています。
クーデターが国を不安定にするならば、ビットコインの価格はジンバブエでさらに上昇する可能性があります。逆に、新制度がインフレ率の低い金制政策を採用すれば、ビットコイン価格が世界平均に近づいて行くでしょう。
キプロスの時と同様に、国内の政情が不安定になったとき人々は安全な資産にお金を移動します。その代表格は金品などの装飾品でしたが、ついにビットコインが価値の保存先として一部を占めるようになってきました。アフリカでは爆発的に利用が増えることも考えられそれに付随するサービスも次々に生まれてくると思われます。
おわりに
— CoinWave|仮想通貨 (@coin__wave) 2017年11月17日
アメリカや中国、そして日本のように安定した国ではなく、ジンバブエのような「不安定さ」が残っている国の方が新しい技術を取り入れやすいのかもしれません。