デジタル資産 vs 決済手段 – ビットコインはどこに向かうのか

昨日2017年11月10日にSegwit2Xの中止が発表されました。

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Segwit2Xの中止

New York Agreementはビットコインのネットワークを向上させるSegwitをもたらすものとして認められていましたが、結局NYA内で提唱されたキャパシティ増加のためのハードフォークは十分な支持を得ることが出来ず失敗に終わりました。

Segwit2Xに対する支持は弱まり、多くのCEOがその支持を撤回する事態を招いていました。Segwit2Xは時間の無駄だったという人も少なからずいるようですが、今回の失敗から学べる点があります。それは、ビットコインの基本的なプロトコルはPaypalまたはVisaの改良よりも優れたデジタルゴールドであることです。しかしまた、これらの支払いシステムの改良版はビットコインレイヤーの上に構築することが可能です。ここでのPayPalとは決済手段の代名詞として考えてください。

デジタルゴールド vs PayPal

デジタルゴールド vs PayPalとはどういうことなのでしょうか?簡単に説明すると、ビットコインコミュニティは二つの考えをに分かれているということです。政府、銀行、また他の第三者の手の届かない新しい資産と考える人々、もう一方は革新的な支払いの手段として捉えている人々です。

ビットコインをデジタル資産として考える人は、資産価値の保管に関係がないネットワークを守るための変更を必要としていません。しかしビットコインを革新的な支払い手段とみなす人は、少なくとも一つのルールを変更し容量を増やしたいと考えています。容量が変更されれば決済のスピードが改善されビットコインの普及に繋がりますよね。

ハードフォークとは全てのビットコインユーザーが新しいルールのネットワークに移動することです。このように能力を増強することは、ネットワーク上の取引手数料の低下につながります。例えば、ビットコインネットワークによる無償の取引を約束する会社を設立した場合、その料金が上昇し始めたら何らかのルール変更を望むのは当然です、たとえ変更に明確なコンセンサスがなかったとしてもです。

デジタルゴールド上でより良いPaypalを構築できる

資産vs決済手段の議論の中で除外されるのは、ベースレイヤーがデジタルゴールドユースケースに使用される状況で、ビットコイン上により優れたバージョンのPayPalを構築できるということです。それ以外の方法ではおそらくうまく行かないと思われます。安全性の低いベースの上に、セキュアなシステムは構築することは出来ませんよね。

ビットコインの上に構築できる「より良いPayPal」の最もよく引用されている例は、Lightning Networkです。このシステムではチェーン化されたトランザクションではなく、キャッシュされたビットコイントランザクションのネットワークがユーザー間で送信されます。このやり方では、ブロックチェーンはLightning networkのスマートコントラクトのための「法廷」としての役割が強くなります。コントラクトで何らかの紛争が発生した場合はいつでも、ユーザーはブロックチェーンを参照することができます。

おわりに

少し難しくなってしまいましたが、ビットコインの用途に対する考え方はコミュニティ内で分かれているようですね。シリコンバレーの伝説的投資家のピーター・ティールはデジタル資産としての可能性に言及しました。ビットコイン先物の立ち上げを表明したCMEの名誉会長レオ・メラメドもビットコインを「新たな資産クラス」と表現しています。

個人的には、決済手段として普及すれば利用者が増え、最終的にビットコイン自体の価値向上に繋がるのではないかと思います。ビットコインの目的の一つは、P2Pで個人間の決済を円滑することです。なので資産を築くためではなく、世界の人々の生活を豊かにする方向にコミュニティが動いてくれることを願っています。

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