「The Ridiculous Amount of Energy It Takes to Run Bitcoin」というタイトルのニュースを見ました。
Running Bitcoin uses a small city’s worth of electricity. Intel and others want to make a more sustainable blockchain
Bitcoinを維持すると、小規模な都市並の電力が消費されます。 インテルなどが持続可能なブロックチェーンを作りたいと考えています。
ビットコインについて、どれくらいの維持費がかかるのでしょうか。VISAクレジットカードを利用する場合に比べて5000倍以上の電力消費があるビットコインの維持費について書いてみたいと思います。
マイニングにおける電気
ビットコインの維持になぜ電力量がこれだけ必要かというと、プルーフオブワークなどの計算処理を膨大にする必要があるからです。
現状こういった作業には、専用のチップを使ったマシンを何万台も同時に稼働させる必要があります。例えば1台サーバーの消費電力を500Wとし電気代を1kWh単価25円とすると、1日の電気代が300円かかります。
#1日の消費量 24h X 25円/1kWh = 600円 #500Wの利用 600円 ÷ 2 = 300円
もし1万台のサーバーを稼働させるとすると、1日300万円の電気代がかかります。これを1年続けるとすると、10億9500万円になります。
#365日の消費量 3,000,000 X 365 = 1,095,000,000円
この程度のマシンで成功するかわかりませんが、1日に生み出されるビットコインの報酬がどれくらい生まれれば、コストは回収できるのでしょうか。その辺りを考えて見たいと思います。
報酬として支払われるビットコイン
現時点で1つのブロック生成に対してシステムから支払われるビットコインの額は、12.5BTCです。各トランザクション(取引)に含まれている手数料を一旦無視すると、1BTC =450, 000円程度なので1回のマイニングで得られるビットコイン報酬は、560万円程度になります。
#1回のマイニングで得られる報酬 12.5BTC X 450,000円 = 5,625,000円
また1日に発生する報酬も計算してみましょう。
#1日のマイニングで得られる報酬 12.5BTC X 6 X 24 = 1,800BTC
約10分毎に1度報酬が発生するので1時間に6回、それが24時間なので1,800BTCが得られるビットコインです。これを円に換算してみましょう。
#1日のマイニングで得られる報酬を円に換算 1,800BTC X 450,000円 = 810,000,000
1日あたり約8億円にもなり、年間だと約3,000億円にもなります。こう計算すると、とてつもない金額が、ゼロから生み出されているということがわかると思います。
損益分岐点について
仮に1万個サーバーを用意し毎日フル回転させるのであれば、0.3%のマイニング成功率でコスト分は回収することができます。但し、あくまで単純計算した仮設であり電気代に設備諸々、人件費などを含めると成功率は数%ないとペイできない状況だと思います。コストは安ければ安いほうが良いというのは、マイニングでは当たり前の話であり実際のところ多くのマイナーが、電気代の安い中国の山間部に集中しているようです。これにより中国のマイニングが、全体の70%以上にもなっているということです。
おわりに
ビットコインの維持費について、考えてみました。マイニング報酬があるからこそ、成り立つビットコインシステムだということがわかって貰えたでしょうか。ビットコインのシステム上、およそ4年毎にマイニングで発掘されるBTC量は半減していきます。ビットコインの発掘量が減る一方で、利用者が増え電気代が上がるということになるというのはこれから起こりうる事実ではないでしょうか。何かクリティカルな案が生まれなければ、電気料金がボトルネックになりビットコインの拡大は阻まれるでしょう。これからどうなっていくのか、引き続き動向に注目していきたいと思います。