ブロックチェーンとプルーフオブワークの仕組み

ビットコインを学習していると、プルーフオブワークという言葉が出てきます。果たしてプルーフオブワークとは何でしょうか。この概念について、できるだけわかりやすく書いてみようと思います。

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プルーフオブワーク

新しいブロックを登録する場合に、前ブロックの取引情報を数値化します。このことをハッシュ値を計算すると表現しています。イメージとしては、意味のある数値をミキサーみたいな役割をもつハッシュ関数でごちゃごちゃに混ぜて不規則な数値に変換する感じです。

abc ⇒ミキサー(ハッシュ関数)⇒ 7f059bd2hcksrdjg

そしてこの変換された値は、決められた値よりも小さな数になるように調整する必要があります。このデータを、ブロック内にあるNonceというエリアに書き込みます。決められた値よりも、小さな数値をNonceに書き込むことができればブロックが完成するという流れです。

実は、どのように計算したらハッシュ値が小さくなるか事前に知る方法は数学的に発見されていません。なので適当な値から一つづつ増やしながら、結果を確認するしかありません。ビットコインのマイニング(発掘)に性能の良いコンピューターがなぜ必要か、この辺りが関わっているんだなと理解して貰えたでしょうか。

仕事量による証明とは何か

仕事量の証明(プルーフオブワーク)では、条件を満たすブロックが一番多く繋がっているブロックチェーンを、結果として一番多くの仕事量をこなしたとみなしてそれをブロックチェーンの証明として利用しています。

なぜこのようなことを決める必要があるんでしょうか。例えば、条件の満たすNonceの値が見つかり、それを組み込んだブロックを新しくブロックチェーンに繋ごうとします。既に、その時別の誰かが新たなブロックを追加してしまっている場合にどちらが正しいと言えるのでしょうか。このような同じブロックを親として、別々のブロックが発生することをフォークといいます。ブロックチェーンが親元から、いくつか枝分かれしているようなイメージを持ってみて下さい。

それぞれのブロックチェーンの整合性は取れていますが、全体での整合性は取れないためどれか一つ選択する必要が出てきます。ビットコインのブロックチェーンでは、積み重なったブロックが最も多いチェーンを有効なチェーンとするというルールがあります。つまりいくつかブロックチェーンがあったとしても、一番長いもの以外は作成を取りやめて最も長く有効なブロックチェーンからまたブロックを作成するということを繰り返しているのです。市場原理的に、単一のブロックがどんどん繋がっていくという仕組みからブロックチェーンと呼ばれており、また安全だと言われているのです。

こういったことから、プルーフオブワークは不特定多数の参加者の中での合意形成方法として考えられています。

10分毎にブロックが付け足される理由

ビットコインのブロックチェーンでは、10分毎に新たなブロックが付け足されています。これはプルーフオブワークの処理時間が、平均的に10分ほどかかっているので結果としてそうなっているという状況です。パソコンの性能が上がれば、10分より短縮してブロックが付け足されることはあるのでしょうか。その点は、考慮されててそれまでの処理時間を参考にブロック作成の処理時間が平均10分くらいになるように自動調整されるとのことです。

プルーフオブワーク以外の方法

ブロックチェーンにおける合意形成メカニズムとしては、他にも様々な方法があります。例えば、プルーフオブワークの他にプルーフオブステークという方法です。これは仕事量ではなく、保持しているコインの量に応じてブロックが承認されるやり方です。コインを多く持っていれば、それだけ高い確率でブロックを生成することができます。多くのコインを持っている人が、わざわざ不正をしてそのコインの価値を下げることはしないだろうという考え方に基づいています。

またソーシャル・ネットワーク方式の合意形成システムを採用しているブロックチェーンもあります。これは、承認者と呼ばれるグループの大多数が承認すれば取引が認められるというやり方です。

他にもプルーフオブアクティビティという方式もあります。これは上記したプルーフオブワークとプルーフオブステークを組み合わせたやり方です。発掘者(マイナー)が生成したブロックは、そのままでは承認されず参加者からランダムに選ばれた人たちの署名を経て初めて有効になるという方法です。

おわりに

今回は、ブロックチェーン技術におけるプルーフオブワークの話を中心に書いてみました。他にも、ブロックチェーン技術の根幹になるところなので難しい話もありますが理解していきましょう。またプルーフオブワーク以外にも、新しい方法が次々に開発されています。また新しい方式についても取り上げていきたいと思います。

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