ビットコインについて、何となく知っているという人は多いのではないでしょうか。ただビットコインの成り立ちや、歴史について理解している人は意外に少ないのかもしれません。こういったところについて、一旦整理する意味も含めてまとめてみたいと思います。
ビットコインの誕生
ビットコインの誕生は、2008年11月に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン:P2P電子通貨システム)というタイトルの論文が発表されたことに始まります。これは、Satoshi Nakamotoという匿名の人物により発表されたもので日本人なのかどうかさえわかっていません。
ビットコインの実装
また翌年2009年1月には、この論文の内容に基づきSatoshi Nakamoto本人が実装したプログラムがインターネット上で配布、稼働されました。運用当初は、プログラムの問題により多くのビットコインがマイニングされてしまうこともありましたが、それ以降大きな問題もなく稼働し続けています。
ビットコインのコミュニティ
ビットコインの開発については、有志によるコミュニティによって行われています。Satoshi Nakamotoについては、2010年頃にビットコインの世界から離れたと言われており、それ以降一切の消息がわかっていないという状況です。
ビットコインのあゆみ
ビットコインの特徴は、中央集権的な発行元がないことにあり、またそういった状態にも関わらず信頼性をもって運用できる点にあります。ビットコインの初めての商取引は2010年5月にあるプログラマが、1万BTCでピザ2枚と購入したことにあります。また2011年2月には、SilkRoadという違法な薬物を販売する闇サイトでビットコインが取引通貨として利用され始めました。SilkRoadのサービスが開始するまでは、1BTCは0.3ドルくらいでしたがサービス開始直後には1ドルを超えることになりました。2013年にサービスが停止するのですが、それまでにビットコインの使用割合はサービスの大半を占めていました。
キプロス・ショックが発生
2013年3月にキプロスで銀行預金に課税されるキプロスショックが発生すると、資産の逃避先としてビットコインが使われることになりました。また中国でも、同様に自国の通貨価値に不安を抱く人々が資産の逃避先としてビットコインを利用することになりました。
ビットコインの乱高下
このような様々な要因で、ビットコインの価格は乱高下していました。ただし全体的に値上がりしている傾向は続いており、年々上昇の一途を辿っています。2017年10月現在では1BTC47万円程度になっており、今後も価値上昇は続くのではないかという見解が大半を占めています。
ビットコインのざっくり年表
年月 | トピック |
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2008年11月 | サトシ・ナカモトが「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」をインターネット上で発表 |
2009年1月 | サトシ・ナカモトがプログラムを公開 |
2010年10月 | サトシ・ナカモトが消息を絶つ |
2011年2月 | SilkRoadでビットコイン決済が利用される |
2013年3月 | キプロスショックが発生し、ビットコインが投資先として利用される |
2013年 | SilkRoadがサービス停止 |
2014年2月 | Mt.Goxが民事再生法の申請を行う |
2016年3月 | 日本政府が仮想通貨法を閣議決定 |
2017年4月 | 日本で仮想通貨法が施行 |
2017年9月 | 中国でICOが全面禁止、仮想通貨取引所が閉鎖発表 |
2017年10月 | 日本で仮想通貨取引所の監査強化、登録制度化 |
ビットコインのこれから
ビットコインについては、まだ発展途上の技術です。技術について理解している人は、まだ少ないというのが現状です。これから10年、20年という月日が経つ中でビットコインやブロックチェーンについて一般化される日がくるかもしれません。またそれに追随するアルトコインや改良技術についても目が離せません。日々情報について、注目し気になることがあれば取り上げていきたいと思います。