仮想通貨のセキュリティ
仮想通貨を取り扱うにあたって、セキュリティの仕組みを理解しておくことは非常に大切です。仮想通貨は通常の通貨と違い銀行が管理してくれません。
なので、
- 「どこ」に保管しておくのか
- パスワードは「どう」管理するのか
しっかり知っておかなければ、最悪の場合せっかく入手した通貨を失う危険性があります。今回は仮想通貨の代表、Bitcoinのセキュリティについて説明していきます。
秘密鍵や公開鍵
そもそも仮想通貨はどうやって持ち主が識別されるのでしょうか。
仮想通貨には仮想通貨の持ち主は「秘密鍵」や「公開鍵」という鍵を持ち、それを使用することで入金や出金が可能になります。
秘密鍵とは
「秘密鍵」とはランダムに生成される文字列で、自分以外に知られてはいけない鍵です。この鍵は通貨の所有者であることを証明する役割を果たすので、これを知られてしまうと残高が動かせてしまいます。銀行口座でいう暗証番号にあたります。実際に、テレビで一瞬映った秘密鍵のQRコードから仮想通貨を盗まれてしまう、という事件が起こっています。また、この鍵は紛失してしまうと再発行はほぼ不可能です。この秘密鍵は膨大な数の組み合わせ(2^96通り)から設定されたもので、同一のものを見つけるには膨大な計算が必要になり、見つけ出すことは現実的に不可能です。後述しますが、一般的に使われるウォレットアプリなどで仮想通貨を保管する場合は、秘密鍵はウォレットアプリ側が管理するため個人で管理する必要はありません。
公開鍵とは
「公開鍵」とはどのようなものなのでしょうか。公開鍵は「秘密鍵」から生成される文字列で、仮想通貨の送金の際に公開するものです。秘密鍵から生成される、と書きましたが逆算が不可能に近い演算を使用しているので、公開鍵から秘密鍵が割り出される心配はありません。公開鍵はビットコインアドレスに変換され、送金などに利用されます。
もし詳しく知りたいという方には、アルゴリズムに関する本をオススメします。
ビットコインアドレス
ビットコインアドレスは公開鍵のハッシュをとって短くしたものです。公開鍵を短くしたものと書きましたがアドレス自体も演算を使用して算出していますので、アドレスから公開鍵を導くことはできません。(実際のブロックチェーン上には公開鍵とアドレスが記録されます。)実際の送金や入金の際はこのアドレスを使って相手とやりとりをします。銀行でいう口座番号と同じ役割を果たします。しかしBitcoinの送金時には、アドレスしか使用しません。銀行口座のように相手の名前を表示してくれないのです。Bitcoinの送金時にはアドレスの入力には細心の注意が必要です。もし誤ったアドレスへ送ってしまった場合、コインを取り戻すことはできません。
おわりに
普段聞きなれない概念が出てきたため、難しかったかもしれません。しかしきちんと理解し対策をしておけばBitcoinは安全で便利なものとして利用できます。
次回は、実際に仮想通貨の保管に使われるウォレットと呼ばれるツールを紹介して行きます。