銀行が発行する仮想通貨は本当に機能するのか?

様々な仮想通貨が次々と現れる中で、世界の主要な金融機関も独自の仮想通貨を発行し、その波に乗り遅れまいとしています。

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MUFJコインやその他コイン

日本では東京三菱UFJ銀行が独自通貨のMUFJコインを発表し話題になりましたね。みずほ銀行や三井住友銀行も同じように独自仮想通貨の発行を予定しています。その他にも中国の独自通貨の構想や、ロシアの独自通貨”CryptoRuble”、ドバイの”emCash”などが発表されていますね。

これらの通貨は、個人間送金が可能になるというメリットはあるのかもしれませんが、個人的には電子マネーとの差別化ができていない印象を受けます。そんな中2017年10月に行われたRipple主催のカンファレンスにて、イーサリアム開発者のVitalik Buterinはこれらの仮想通貨に対してコメントしています。

参照元:FINANCIAL POST

もしこれらの通貨が発行されるのであれば、サーバをもつことになるだろうしブロックチェーンに見せかけるため多くのマーケティングが必要だろう。

彼はこれらの通貨がビットコインやイーサリアムにとって変わるようなものではないと考えており、普及にも数年かかるとの認識を示しています。また金融機関がブロックチェーンを構築するには技術が不足していることも指摘しています。

仮想通貨の中心はブロックチェーン技術

仮想通貨の革新性は非中央集権の分散型台帳であることです。金融機関の管理下におかれる通貨ではこの特徴を損なってしまいます。個人間送金ができるとはいえ、従来の電子マネーの仕組みでも十分可能ではないかとも感じます。MUFJはコンビニでの支払いやATMとの連携も構想に入れていますが、今以上に手続きが煩雑になってしまうことは避けてほしいですよね。

一方でビットコインやイーサリアムは使える場所がかなり限定されているため、一般生活に浸透するまでまだまだ時間がかかりそうです。すでに信用がある金融機関の通貨であれば、既存サービスや店舗との連携はスムーズにいくのかもしれません。

当初フィンテックとして期待されていたブロックチェーンは金融の域を出て様々な分野への応用が期待されています。直近の例でいうと、テックビューロがジビエの流通をブロックチェーンのシステムで運用しようとしていたりします。

ジビエ振興協会がブロックチェーンを導入

その性質上、通貨としての役割に目がいってしまいがちな仮想通貨業界ですが、その技術を支えるブロックチェーンを使った産業がもっと生まれてきてほしいと思います。

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