ビットコインをも凌ぐ可能性を秘めている仮想通貨、Etherについて今日は紹介します。
etherとは
eherはイーサリウムのブロックチェーン上で使用できる仮想通貨です。取引所ではイーサリウムと表示されていることが多いですが、正しい通貨の単位はetherです。それではこのイーサリウム、誰が何のために作り上げたのでしょうか?
ロシアの天才プログラマー
イーサリウムはVitalik Buterinというロシア生まれのプログラマーにより2013年に考案されたブロックチェーンのプラットフォームです。Buterinは1994年生まれの現在23歳、10代で新たなブロックチェーンの仕組みを発明した超天才です。彼は2011年に父親からビットコインの存在について知らされ、ブロックチェーンの秘める可能性に魅せられました。イーサリウムは彼を筆頭にEthereum Projectという名前で運用されています。それではイーサリウムはどのような特徴を持っているのでしょうか?
イーサリウムはビットコインの機能拡大版?
Buterinは「ビットコインは魚、イーサリウムは海」と表現しました。彼は、既存のブロックチェーンがあまりにも特定の用途にしか対応していないことに気づいたのです。ビットコインは支払いという特定の用途にのみ用いられますが、イーサリウムでは、プラットフォーム上に契約書を置き、それに対してetherで支払いができる仕組みになっています。これを「スマートコントラクト」と呼びます。
スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、契約書をプログラム化する仕組みです。これだけでは何のことかわかりません。具体例で考えましょう。「1週間後までに納品すれば通常価格、それ以上遅れると30%値引き」という契約があったとします。通常であれば書面にし、納品のタイミングに応じた額を振り込みますよね。スマートコントラクトでは前述の内容を全てプログラム上に載せ、納品された時点で自動で決済させることが出来るのです。契約内容はチェーン上に保管され、改ざんすることは不可能なので、言った言わないの議論や書面をやりとりする煩雑さも省略されます。最初の契約条件だけ当事者間で確認するだけでいいのです。この契約のプログラム化は様々なビジネスへの応用が期待されます。例えば、音楽アーティストが自分の作品に著作権のプロテクトをかけ、eherで支払いをした人にのみ配信するようなことも可能になります。コピーに悩まされることなく、作者と購入者間で直接契約が実行されるため、中間の業者を挟むことなく収入を得られます。このようにイーサリウムでは、特定の事象が実行された時のみ、支払いを実行するようなプログラムを組むことができるのです。
おわりに
既に多くの企業がイーサリウムを使ったサービスの展開に乗り出しており、KDDIやTOYOTAも導入を発表しています。「契約」と「支払」を自動化してしまうイーサリウム、既存のビジネスの仕組みを根本的に変えてしまう力を持っているのかもしれません。今後もイーサリウムの動きから目が離せません。