仮想通貨を使ったクラウドファンディングの手法は、爆発的に普及しています。
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ICOを利用した詐欺案件 Confido
2017年には、35億ドル以上のICOが生まれました。ICOの普及は同時に規制当局の悩みのタネであり、詐欺にあう投資家の数は増加の一途を辿っています。直近の例では、仮想通貨スタートアップのConfidoが37万5000ドルの投資を持って雲隠れしました。
事件の渦中にいるスタートアップ「Confido」は、ブロックチェーン技術を使って支払いと商品のトラッキングを可能にするアプリの開発を行うことを目的として起業したばかりの企業でした。
Confidoはネットを通じて運営資金を集めるために、ブロックチェーンを用いて出資を募るイニシャル・コイン・オファリング(ICO)と呼ばれる手法を用い、2017年11月6日から8日にかけて出資を募るキャンペーンを実施。
出資者にはConfidoが発行した「トークン」が付与され、後に仮想通貨「イーサ」(イーサリアム内の通貨)と交換できる権利が与えられていました。
しかしその直後の11月12日(日)、Confidoは同社のTwitterアカウントを削除し、さらにはウェブサイトをも閉鎖。そして、「法的な問題が生じたために事業を継続できなくなった」という状況をRedditのサブフォーラムに短いコメントで投稿しています。
また、同じコメントがMediumにも投稿されましたが、その直後に削除されたとのこと。
引用元:GIGAZINE
ICOを利用した詐欺案件 Opair
一つの例はOpairです。OpairのICOでは、分散型のデビットカードの提供を約束しています。無名なグループが銀行システムを精査することができるはずがなく、分散型のデビットカードを提供できないことは明らかです。しかし人々は可能性を信じ、投資しました。
Opairのトークンが取引所に上場してから、コインは急速に売却され、ウェブサイトはオフラインになり、チームは何の音沙汰もありません。
ICOを利用した詐欺案件に対する司法の対応
一部司法が介入できた案件もあります。2017年9月下旬にSECはニューヨークのビジネスマンMaksim Zaslavsliyと2社の関連会社に対し、2つのICOから得た額の虚偽報告をしていたとして訴えました。
SECは、裁判所からZaslavskiyと2社の資産を凍結させる命令を下すことに成功しました。検察官は、トークンセールをサポートする資産が全く存在していなかったことを指摘しています。
投資側にも問題があるのか
ブロックチェーンはどのような技術とも異なり、構造的に重要な倫理観が必要です。分散型で自律的なシステムに参加することは、責任と完全な透明性が要求されます。
ただ現実のところ不完全なクラウドファンディングルールと怠慢な投資家によって、ICO後に資金が管理不能になることが一般的になっています。
ICOは、通常イーサリアムネットワーク上で行われます。スマートコントラクトには、クラウドファインディングのプロセスルールを定義するロジックが含まれています。
スマートコントラクトは、特定のICOが提供予定のサービスに使用される「イーサリアム」と「発行トークン」を収集します。ほとんどのICOは、発行者がICO後の資金を完全にコントロールできるように構成されています。残念なことに、このような近視眼的な資金調達は、米国や中国をはじめとする様々な政府の公的および立法措置において否定的な認識を導いています。
注目されるToken Vestingメカニズム
ICOが最近採用しているメカニズムの1つは『Token Vesting』です。このメカニズムは、Bancor(イーサリアム1億3,300万ドルに相当する)を含む知名度が高いいくつかのICOによって使用されています。
このアイデアの素晴らしいところは、ICO設立者がICO後のトークンのシェアと取引能力を制限することにあります。一般的に、6ヶ月毎に特定量のトークンが創設者に公開されます。これにより、創設者がICO後のトークンを不当に安い価格で一気に売却できなくなります。
このような仕組みが提供されていれば、Confidoのようなケースは避けられたかもしれません。
仮想通貨のコミュニティ自身がエコシステムを形成できるのか、それとも政府のような管理機関が一層の規制に踏み切るのか、それはまだわかりません。