2017年11月21日Tetherはハッキング被害にあい3000万ドル相当の仮想通貨を失ったと発表しました。
Tether Critical Announcement @Omni_Layerhttps://t.co/clGVQweq5A
— Tether (@Tether_to) 2017年11月21日
Tetherの運営者は、Bitfinexと同じであることはよく知られている事実です。
業界ではそもそもBitfinexとTetherは同資本であると常識のように話されてるが、日本語圏でTetherが取り上げられる際にはそのことが話題に上らないのはなぜだろうか？ただし、真相は不明。
— Takao Asayama 🔗 朝山貴生 (@TakaoAsayama) 2017年11月20日
TetherだけでなくBitfinexの運営に対してもいくつかの点が疑問視されています。
Bitfinexトラブル時の影響
Bitfinexのドルでの取引高は非常に大きく、数十億ドルに値する仮想通貨がBitifinexを通じて売買されていました。ドルでの取引高だけでいうとアメリカの主要証券取引所を超える日もあります。もしBitfinexで何か問題が起こると、Bitfinexを使わない人も含めて全ての投資家へ影響する可能性が高いです。
参考画像：Twitter
コーネル大学のコンピュータサイエンス准教授であるEminGunSirerは次のように述べています。「この企業に取引が集中することによるシステムリスクが心配です。もしBitfinexが倒れてしまったら、彼らは取引所を解体してしまうでしょう。」
BitfinexとTetherの最高責任者Jan Ludovicusは11月21日のメールにて「bitfinexの財政状態はあまりよくない」と記しています。仮想通貨取引所に対する懸念は今に始まったことではありません。
Mt.Goxの倒産
最初にして最大のビットコイン交換所、Mt.Goxは2014年に5億ドルの顧客の資産をハッカーに奪われ破産しました。
画像参照元：The Telegraph
BTC-Eの閉鎖
2017年になり、法執行機関により大手ビットコイン取引所のBTC-Eが閉鎖されました。BTC-Eはオンラインブラックマーケットとランサムウェア攻撃によるビットコイン流出の中継点になっているとして訴えられていました。
アメリカや他の国の規制当局は仮想通貨取引をコントロールしようとしていますが、規制下にある取引所はbitfinexや韓国の取引所のような規制化におかれない取引所によって成長が阻害されています。
ビットコイン市場の流動性は、仮想通貨の珍しい構造の産物です。ビットコインは単一の企業または政府の管理下にない分散型コンピュータネットワークを介して格納され、移動されます。この構造は、マネーロンダリングをしたいと考えている人たちにとっては格好のターゲットになりえます。
未登録取引所への懸念点
「規制されていない未登録の取引所は、業界と地域社会にとって非常に大きな懸念事項である」と仮想通貨会社Coinbaseの取締役のキャスリン・ハウン氏は述べています。
画像参照元：Twitter
Bitfinex最高戦略責任者 Phil Potterは、1990年代にニューヨークのモルガン・スタンレーで働いていましたが、3,500ドルのRolex、贅沢なライフスタイルや戦略をNew York Times上で披露してしまい職を失いました。
ポッター氏はVan der Velde氏らとともに香港にBitfinexを設立しました。Bitfinexは2015年にハッカーにより40万どる相当のビットコインを盗まれました。しかし、最大の事件は2016年の夏に起きた120,000のビットコインの盗難です。被害額は当時の額にして7,500万ドルに登っています。
さらにBitfinexは損失をビットコインを保有していた顧客以外にも広げました。彼らの36%の資産を削減しました。
Bitfinexへの不安点
bitfinexからのハッキングに対する情報提供の不足は顧客離れを引き起こしています。香港に拠点をおくBitmexの設立者のArthue Hayesもその一人です。彼は「Bitfinexに対しては多くの疑問がある。これに対しては全ての数字を公開することで簡単に解決することができる。」と話しています。
Van der Velde氏は、継続中の捜査を踏まえ、同社が2016年8月のセキュリテイ事件について「可能な限り公に透明性を持つようにしている」と述べています。銀行もbitfinexによって遅延しています。Wells Fargoは今年に入って、Bitfinexの口座から資金を動かすことができないだろうと述べています。そしてすぐに、台湾のBitfinexの口座がシャットダウンしました。それ以来、顧客への説明なしに、様々な国の銀行に移っています。
Tetherへの避難
ただTetherの運営以上に批判されているものはありません。顧客はBitfinexでTetherコインを購入し、それを他の仮想通貨交換所に転送し、銀行を経由することなく国間でドルを移動させることができます。
Tetherもビットコインを購入するのに非常に一般的な方法になっています。ここ数週間のCoinMarketCap.comのデータによると、数千万ドル相当のTetherが複数の取引所でやりとりされています。
TetherとBitfinexは２つのオペレーションが全く別ものであると主張しています。しかし、Paradise paperとして知られるリーク文書にとると、Bitfinexの管理者Potter氏とDevasini氏はTetherをイギリス領バージン諸島に設立しているそうです。
Bitfinex’edという批評家はいくつかの批判記事をMedium上に公開しており、BitifinexがどこからともなくTetherコインを作り出し、ビットコインを購入すつために使用したと論じています。
Tether とBitfinexはこの批判に対しての反論をweb上に公開しており、Tetherは銀行口座のドルよって担保されていると主張しています。2017年9月、同社はTetherが現実の資金によって融資されているという証明の文書を提出しました。
法律事務所Hogan Lovellsの仮想通貨関連プロジェクトを手がけるLewis Cohenはこの文書について、Tetherがドルに裏打ちされていることを証明するものではないと話しています。たとえもしそうだったとしても、TetherとBitfinexはアメリカとヨーロッパの法律を侵害しているようにみえる、とLewisは話しています。「彼らを扱いたくない理由はたくさんあります」と話しています。
Update on Security Incident @Omni_Layer https://t.co/1BBfU7ZB4x
— Tether (@Tether_to) 2017年11月23日
2017年11月21日、Tetherは外部からの攻撃によって3000万ドル相当のTetherが同社のオンラインウォレットから失われたことを発表しました。同社はその補填のために動いていると述べています。
参照記事：Warning Signs About Another Giant Bitcoin Exchange
