2017年10月2日、WSJは大手投資銀行ゴールドマンサックスがビットコインのトレードを開始を検討していることを報じました。
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ビットコインのトレードを検討
WSJは、ゴールドマンサックスは初期の検討段階であるとし、もし参入すればウォール街で最初に仮想通貨市場に乗り出すことになり、大きな動きが生まれるだろうと報じています。一方で同銀行は仮想通貨市場への参入の決断を下した訳ではなく、撤回される可能性もあるとしています。同社の広報がWSJに語ったところによると、彼らの顧客は仮想通貨へ強い関心を示しており、ゴールドマンは最適な提案を検討しているとのこと。
またゴールドマンは顧客需要だけではなく、仮想通貨自体の驚異的な変動率にも目を向けています。既存のマーケットの変動率はわずかなものであり、トレードによる収益の伸びは微々たるものになっています。そのため近日の仮想通貨の劇的な価格変動は多くの投資家達を驚かせ魅了しています。彼らはこの変動率は莫大な利益をえるチャンスと捉えています。
魅了的なビットコインの取引高
仮想通貨市場の流動性は機関投資家にとって一つの参入障壁となっていましたが、2017年に市場は激変し、大量の資金が流入しました。今ではビットコインの一日の取引高はCaterpullar社の時価総額に匹敵する額であり、近いうちに仮想通貨全体の取引高はApple社の取引高をも上回ることが予想されています。ちなみに、Appleの銘柄は最も流動的な銘柄です。
一方ゴールドマンサックスに対して、JPモルガンは懐疑的な姿勢を見せています。JPモルガンのCEO Jamie Dimonはビットコインを「詐欺」だとし、ビットコインをトレードする社員を「馬鹿」呼ばわりし解雇すると発表しました。Jamie Dimonは仮想通貨市場を「価値がない」と切り捨てましたが、ゴールドマンは「無視できない規模になっている」として理解を示しました。
Jamie Dimonの仮想通貨への懐疑的な姿勢は、現状では大多数の機関投資家を代弁するものかもしれません。しかし投資家を取り巻く状況は変わり始めています。調査会社Autonomous NEXTの統計によると、すでに70以上のファンドが仮想通貨に投資しており、有名投資家のMike Novogratzは5兆円のファンドを準備していると報じられています。更に元ゴールドマン社員によって設立されたLedgerXという会社は、年内に機関投資家向けの仮想通貨のデリバティブの提供の開始を予定しています。このように既に仮想通貨を金融商品に組み込む動きは生まれ始めています。
おわりに
2017年の冒頭にはゴールドマンは仮想通貨市場に対して「ドルだけが正常に機能する。」とコメントしていましたが、彼らは今その発言を撤回せざるを得ない状況になっています。