分散型コンテンツ配信プラットフォームTRONのホワイトペーパーは、IPFSとFilecoinの作成者であるProtocol Labsによって書かれた2つのホワイトペーパーを盗用したものだと発覚しました。
FilecoinとIFPSからの盗用
Protocol Labsの設立者Juan Benetが、TRONの英語版ホワイトペーパーの少なくとも9ページがIPFSまたはFilecoinのいずれかの論文からコピーされたと主張する画像をツイートしました。
これらのホワイトペーパーはBenetと他のメンバーによって共同で執筆されたものでした。
Wow! Absurd! TRON’s “paper” is mostly copied from other projects, or is super basic p2p passed off as original. Zero references.
Archived that PDF in IPFS, in case they take it down: https://t.co/jv7EuSYenL pic.twitter.com/GbiL7MUrnc
— Juan Benet (@juanbenet) 2018年1月7日
TRONのホワイトペーパーを詳細に調べる事でその盗用の内容が浮かび上がってきました。
ホワイトペーパー内の広範囲にわたって複数のパートでFilecoinとIPFSのペーパーをコピーしたテキストが見受けられました。
ほとんどの場合、テキストは一語一語コピーされたように見えません。
しかし論文のセクション全体にわたる語彙と構造の類似点は、TRON論文の少なくとも一部が、Protocol Labsのものを書き直したものであるように思われます。
各セクションが基本的に同じ情報を伝える一方で、Protocol Labsのペーパーは常に詳細を示し、可能な場合は出典を引用するという特徴をもっていることからも裏付けが取れます。
TRONホワイトペーパーと比較
たとえば、これらのセクションでは、それぞれのネットワーク内のノードに適用されるBitSwap戦略について説明します。
別の例では、TRONの論文は、Filecoinのチャートからチャートを引き出しているようです。
最悪の事実としては、TRONのホワイトペーパーには何の参照文献も記載されていないことです。
これはIPFSホワイトペーパーが公表された際のクリエィティブコモンライセンスを侵害しています。
ホワイトペーパーの削除
TRONはホワイトペーパーを削除したものの、盗用は認めていません。
急激なICOの増加に伴って盗用が蔓延していますが、TRONは84億ドルの時価総額で11番目に大きい仮想通貨です。
この盗用が英語版と中国版の両方に存在するのかどうかを確認していません。
発覚した時点では、TRONはコメントのリクエストに対する回答はありませんでした。
しかし、Justin Sun氏はTwitterで次のように述べています。
「ホワイトペーパーのオリジナル版は中国語版であり、最新の中国語版の詳細なリファレンスがあります。英語、韓国語、日本語、スペイン語版はボランティアによって翻訳されています。翻訳版では数多くの重要な参照や詳細が漏れていました。」とSun氏は述べました。
このような主張にもかかわらず、TRON はインターネットアーカイブのホワイトペーパーの英語版と中国語版をウェブサイトから削除しました。
参考情報元:TRON’s Whitepaper Appears to Plagiarize from Filecoin and IFPS