ASICマイニングシステムによって”再びビットコインを分散化する”という理想を掲げてローンチされたビットコインゴールド(BTG)ですが、開発者が手数料コードを仕込んでいたことが発覚しました。
BTGの開発者Martin Kuvandzhievは0.5%の手数料をBTGマイニングプールから自身のウォレットに直接送金していたと報じられました。
開発者にマイニングフィーが発生
Bitcointalkによると、開発者は0.5%のマイニングフィーをマイニングプールからウォレットに直接送るようにしていました。8,000ブロックのBitcoingoldのpremine全体がBTGの作成者Jack Liaoによって保管されています。
premineとは、開発者がソースコードをコミュニティにリリースする前に特定の場所に特定の金額の通貨クレジットを割り当てる場所、つまり開発者が事前にマイニングして保有しておくコインのことです。さらに開発者によって、0.5%のマイニングフィーが発生するコードがマイニングソフトウェアに記述されています。一部のマイニングプールがこのコードを削除したことが報告されています。
Kuvandzhievによる説明
Bitcoin.comにて話したところによると、Kuvandzhievはコードがオープンソースであり、コードを削除したいプールから隠していたわけではないと述べている。彼はまた、他のプールはクローズドソースであると指摘した。彼は、開発者に対して0.5%が支払われるのは大きい金額ではないと話しています。
0.5%は一般のマイナーにとっては1ヶ月にわずか1ドル以下です。あまり過剰に反応してほしくはありません。他のソフトウェアには1〜2%の手数料がありクローズドソースであり、削除することはできません。
同氏は、BTGのpremine期間に関して、その60%が今後3年間タイムロックされると述べました。さらに、彼は0.5%のフィーのコードを公表した人に対して、ほとんどがマイナーを自身のプールに引き込ませようとするプール運営者であることを明かしました。
Kuvandzhievはさらに、pool.goldがマイニングフィーをサーバに支払うことができなくなるまでマイニングフィーを0%に落としたことを明らかにしました。彼の計画は、サーバをサポートするための料金を追加するべきかどうかについてユーザに投票させることです。
マイニングプールが閉鎖
Kuvandzhievの0.5%の手数料に関する論争が彼のプールの終焉に繋がったわけではありませんが、別のビットコインゴールドのマイニングプールは、プロジェクトの論争と技術的難度を考慮して閉鎖することに決定しました。
MinerTopiaが運営するBTG Poolは、プールに対するDDoS攻撃やフォークの失敗、技術的な問題等の「時間とリソース」喪失によりシャットダウンされたと報告されています。
We are shutting down BTG Pool for good. We have lost too much money time and resources on this project. You can come mine more profitable and coins with us that actually work. Chapter closed..
— MinerTopia (@MinerTopia) 2017年11月15日
Bitcoin Goldのハードフォークの直後に、このプロジェクトのWebサイトには大量のDDoS攻撃が仕掛けられ、サイトがダウンしました。
おわりに
開発者の言い分からすると、確かに0.5%は高い金額ではないのかもしれません。しかしマイニングプール運営者や、マイナー内には不信感が生まれます。非中央集権的なネットワークを目指すと明言しているビットコインゴールドですが、開発者の利己的な面がどうしても見えますね。