仮想通貨の禁止に向かうロシアですが、ついにプーチン大統領が仮想通貨についてコメントしました。プーチン大統領は仮想通貨自体の合理的な支払いシステムと深刻なリスクの増加について語っています。
プーチン大統領のコメント
2017年10月10日にソチで行われた政府会議にて、プーチン大統領は仮想通貨がはらむ深刻なリスクについて警鐘を鳴らしました。彼は以下のように述べています。
多くの国で、仮想通貨は投資だけでなく実用的な決済手段として認識され始めている。しかし同時に、仮想通貨は重大なリスクを生み出す。中央銀行のスタンスはよく理解している。
プーチン大統領がこの発言をする直前に、ロシア中央銀行の第一副総裁Setrgei Shetsovは、仮想通貨取引所やプラットフォーム、それに関連するウェブサイトへのアクセスを禁止することを明らかにしました。中央銀行は今回のアクセス禁止は個人投資家を仮想通貨の変動リスクから保護するために必要なものであると説明しています。Shetsov氏は、「市民や企業にとって、投資対象として暗号通貨を利用することは不当に高いリスクを負うことに繋がると考えている」と述べています
ロイター通信によると、プーチン大統領は
暗号通貨の使用には重大なリスクが伴う。この危険性については十分認識しており、中央銀行の立場を理解している。我々は既に何度も議論している。
ファイナンシャルタイム紙の報道の中で、プーチン大統領が考える仮想通貨の「深刻な」リスクが明らかになっています。
第一に、仮想通貨は犯罪行為によって得た資金のロンダリング、脱税、テロ資金調達を助長させうる、そして一般市民を巻き込む詐欺行為を継続させている。
プーチン大統領は、仮想通貨は「無数の数の人間によって無制限に発行されている。」と説明しました。さらにシステムの誤作動や大きな変動が生じたとしても誰も責任を負うことがなく、違法な活動に巻き込まれかねない、と付け加えました。
禁止ではなく規制
上記の発言の一方で、急増する資金調達手段のICOや仮想通貨の無効化については言及していません。中国や韓国がとった手段と異なり、ロシアの中央銀行に対し、「革新的金融商品を扱うための法的保証」を備えた仮想通貨の規制ガイドラインを作るように要請しました。
今のところ、ロシア中央銀行は仮想通貨業界を2018年に規制する動きを見せています。ロシア中央銀行副議長のOlga Skorobogatovaによると、銀行は仮想通貨の分類と仮想通貨への課税のフレームワーク作りに動いているそうです。
完全に禁止することはないようですが、ロシアではかなり厳格なルールが作られそうですね。今は価格上昇を謳歌する仮想通貨業界ですが、各国が強い規制に乗り出すと流動性を大きく損なうことになりかねません。